当工房では看板製作に使用する木材、塗料、インク、オイルなど全て
人や自然にとって無害なものを使用しております。
アレルギーやシックハウス症候群が気になる方、
小さいお子様がいるご家庭やペットを飼っている方も安心していただけます。
使用する木材は国内で伐採され自然に乾燥された無垢材を信頼のおける銘木店から仕入れています。
木材の乾燥は自然のままに乾燥させた天然乾燥と
機械で強制的に乾燥させた人工乾燥とがあります。
当方では自然に乾燥させた材の方が香りも膨よかで
木材の性質を活かせると判断しているため、
主に自然(天然)乾燥材を使用しています。
当工房で使用する塗料は土に含まれる成分や植物が原料となっている自然塗料を調合し使用しています。
ヴィンテージ塗装で使用する塗料は日本古来の塗料、①【柿渋】と ②【ベンガラ】を使用しています。
印字の際に使用するインクはベンガラと③【桐油】を混ぜて作る天然のインクです。
ペイント加工で使用するペンキも同様でベンガラと桐油を混ぜて作っています。
【画像】ベンガラ
①【柿渋】
渋柿を発酵、熟成させたもの。防虫、抗菌、防腐、消臭効果があり、
人体に無害な染料でホルムアルデヒドを吸着し無害化します。
繊維を強くすることから漁の網に塗布したり布の染料として使用されています。
木材に塗布すると日数が経つにつれ色の深みが増し艶が出ます。
国宝や重要文化財にも使用されています。
②【ベンガラ】
日本で古くから使われている塗料で飛鳥時代から建築物に使われています。
土の中に含まれる成分の酸化鉄が主成分で防腐、防錆効果があり人体に無害。
建築材の他、船舶塗料、工芸品等にも使用されています。
③【桐油】
桐の種子から抽出した天然の油で、
木の呼吸を妨げず防水効果があります。
(↑)ナチュラルブラウンのヴィンテージ塗装にペイント加工を施しております。
(↑)色様々なヴィンテージ塗装の板にペイント加工を施しております。
木材に塗布するオイルは混じり気のない純度100%の①【亜麻仁油】、②【荏油】、③【椿油】を使用しています。
①【亜麻仁油】・・・
植物のアマの種子を搾って作られ、乾くと木の表面で硬い膜を形成します。
リノレン酸を主成分とする木材に適した乾性油で、その他バイオリンや番傘、提灯などの塗油として適しています。1年ほど経つと明るい茶色になります。
②【荏油】・・・
荏胡麻(えごま)の種子から得られる植物油です。艶出し、耐水、防虫に優れ、殺菌効果も優れています。時間が経つとほのかにあめ色になります
③【椿油】・・・
椿の種子を圧搾して採油されます。 木材の艶出しにも適し、床柱など高級材に使われます。
【画像】 オイル各種
◆屋外での使用について
木材自体は雨ざらしでも問題はございませんが
雨にずっと濡れている環境(雨が貯まるような場所に置きっ放しなど)
に長時間放置した場合、木材は腐食する可能性もあります。
壁に設置するなど水はけの良い環境であれば、雨がやめば自然と木材が余計な水分を排出しますのでほとんどの場合問題はないと思います。
◆色の変化について
直射日光や雨ざらしの環境に長時間放置すると木材の色は徐々に変色していきます。
大体5年~10年以上かけて古材に見られるグレー色に木材の表面は変化していきます。
当方はこの経年変化に惹かれヴィンテージ加工を自然塗料で行っております。
自然の年月を経て進むエイジングと自然塗装とが合わさってさらに看板の雰囲気を高めるものだと思っておりますのでお客様にもぜひ経年変化をお楽しみいただけたらと思っております。
◆防水加工について
当方は化学的な防水加工は行なっておりません。
木材に上塗りしてしまう防水加工は最初は光沢があり綺麗で木材も変色しにくいですが、
雨ざらしの場合、だんだんとくすんできてしまいヒビが入るとそこから雨水が侵入し腐る可能性もあります。(コーティングしてあるため雨水を排出できないため)
当方が木材に使用するオイルは亜麻仁油、桐油、荏油の3種類で、
これら自然のオイルは木材の呼吸を妨げず撥水の効果もあります。
ある程度の防水効果があり、且つ余分な水分の排出を妨げない自然のオイルこそ木材の寿命を妨げないものだと考えております。